米どころ「羽地ターブックヮ」の誇りを胸に。 「羽地米」ブランドを部会とともに守り、発展させる。
先祖代々が守ってきた「羽地ターブックヮ」。高齢化などによる離農が進む中、産地発展に向け40代で本格的に就農した。今号は、故郷羽地の田園風景を愛し、そこから生まれるブランド「羽地米」の誇りを守る農業人を紹介。
米どころ「羽地ターブックヮ」
名護市羽地は「羽地ターブックヮ」の名で、古くから県下有数の米どころとして知られる。
JA羽地ライスセンターの裏側に広がる田園風景は、米を主食にして生きてきた日本人のまさしく原風景そのものだ。
その田んぼの一角で出迎えてくれたのは、見事なヒゲをたくわえた上原克章さん(49歳)。
「見て下さい。今年も立派に育ってますよ。もうすぐ収穫ですからね」
開口一番、克章さんが自慢の田んぼを指さして話す。よく見ると黄金色になる前の、まだ青い稲穂がたわわに実っている。
今は2期米の季節だそうで、収穫前の肥培管理に大忙し。品種は「ひとめぼれ」。JA羽地水稲生産部会によると、今期は1・2期合わせて103トンの出荷を計画している。
全盛期は収穫量3000トン
「ユイマール」で守る羽地米
「それぞれが防除をしても、虫は隣の田んぼに逃げてしまうだけ。共同で一斉に防除することで大きな効果が生まれ、部会員の連帯も強まる」
「ユイマール精神」が根付いている羽地水稲生産部会 共同防除は約20年間続く取り組み。部会員の高齢化も進むなか、産地維持に向けて部会が一致団結している。
さらに克章さんが続ける。
「将来的には、農機の共同使用なども検討していかなければならない」
田植え機やコンバインなど機械化で作業効率は良くなったものの、その導入費は大きい。
新規就農の間口を広げ、個々の農家の負担軽減にもつながるような効率的な使用方法にも取り組みたいのだそうだ。
コスモス畑が新名所に
克章さんたち部会員メンバーは、食育活動にも熱心だ。田んぼでの泥んこ遊びをはじめ、昔ながらの機械を使わない田植えや稲刈り、脱穀体験などを毎年企画している。
「将来を担う子供たちには、お米一粒一粒を大事する大人になってもらいたい。自慢の『羽地米』ですからね」
冬場には観賞と緑肥効果を兼ねて、田んぼにコスモスを植える。1月から2月に見ごろを迎えるそうで、ピンクや白、赤などカラフルな彩りが見る人を楽しませる。
「今では観光客も多くなり、地域の子どもたちも一緒に楽しめる交流の場になりつつありますね」
「羽地米」のブランドを守り、子どもたちに「食の大切さ」を伝え、地域活性化に向けて「花の名所」をつくる。米どころ羽地ならではの活動を楽しそうに語る克章さんの表情が頼もしく輝いていた。
JA担当者の声
克章さんは指導農業士の資格を持ち、部会の集まりでも積極的に発言するなど、若手として部会をひっぱっています。今後も良質の種もみを作り続けてほしいです。
JAおきなわ広報誌:あじまぁ
地域で頑張る農家を紹介する「農業人(はるんちゅ)」はあじまぁに掲載されています。
「あじまぁ」は組合員、地域とJAをむすぶコミュニティーマガジンです。各JA支店・JA関連施設(ファーマーズマーケット、Aコープ、JA-SS)よりお持ち帰りいただけます。
次代を担う 意気!域!農業人 (バックナンバーはコチラから!)